お子さまの虫歯治療
Caries treatment
お子さまの虫歯治療CARIES TREATMENT
虫歯の原因
むし歯の原因には、「歯の質」「糖質(砂糖など)」「細菌(ミュータンス菌)」の3つの要素があります。
これらの3つの要素のバランスによって虫歯になりやすい環境かどうか、また、虫歯の進行具合などにも影響します。
虫歯は一度かかると再発しやすく、 虫歯治療をくり返すことで、歯の寿命を縮めてしまうことにもなります。
お子さまの大切な歯を虫歯から守るためにも正しい知識と正しい生活習慣を身につけましょう。
むし歯菌は
親からうつる事が多い
生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には細菌も少なくとてもきれいです。
その後、離乳食やおしゃぶりなどからさまざまな菌が口内に入ってきます。 むし歯菌もその一つです。
特に親から口うつしで食べさせたり、スプーンやフォークを一緒に使うことなどが原因でむし歯菌が口内に入り、むし歯の原因になる事が多くあります。
虫歯予防は乳歯が生えてくるおおよそ18カ月から36カ月までが大切
乳歯が生えてくるおおよそ18カ月から36カ月までの間は、むし歯の原因となるミュータンス菌が親から感染しやすい時期なので特に注意が必要です。
ただし、むし歯菌は、風邪などのウイルスなどと違って、すぐにむし歯へと発症するモノではありません。
実際にむし歯になるかどうかは、甘いお菓子や砂糖類の摂取頻度や歯みがきといった普段の生活習慣によって決まります。
あまり神経質になりすぎることはありませんが、むし歯にならないように気を配る事が大切です。
同じ虫歯でも、大人と子供では虫歯の進行速度が違うことをご存知ですか?
実は乳歯や生え替わったばかりの永久歯は、大人の歯に比べやわらかく、虫歯にかかるとどんどん進行してしまいます。
このことから、子供の虫歯は、早期発見・早期治療がとても重要になります。
子供は自分ではお口の変化に気づきにくいので、できるだけ保護者の方が歯磨きや仕上げ磨きの際に口内環境を見てあげることが大切です。
定期的に歯科医院でのプロの目によるチェックがオススメ
定期的に歯科医院でのプロの目によるチェックを受けると安心です。
また、お子さま自身に歯磨きの習慣をつけてあげるのはとても大切なことです。
お子さま自身でお口の中をきれいにブラッシングすることはなかなか難しいので、親御さんによる仕上げみがきがとても重要になります。
ポイントを押さえ、毎日しっかり続けてあげてください。
当院ではブラッシング指導も行っていますので、正しいブラッシング方法を身につけお子さまの虫歯予防に役立ててください。
神経をできる限り残す治療、痛みに配慮した治療
予防重視の虫歯治療
MID(minimal intervention dentistry)「最小限の侵襲による歯の修復治療」の考え方を基に予防を重視して、歯を削る量を最小限に治療することを心掛けています。
なるべく削らない治療
歯は表面の硬い層・内部の柔らかい層・さらに内部の神経の3層構造になっています。内部の柔らかい層を削る場合は虫歯を染めるお薬を使いながら神経に触ってしまわないように注意して治療しています。
小児歯科ならではの虫歯治療
虫歯を削っていると痛みが出ることがあります。痛みを抑えるために治療の前や途中で麻酔を打つことがあります。小さいお子さんの中には削る痛み以外にも機械の振動や音を嫌がるケースがあります。その場合は、痛みがでにくいように回転しない器具で虫歯を削ります。
虫歯検知液と拡大鏡をつかった精密虫歯治療
- 拡大鏡という細かいところも拡大して見ることのできる眼鏡を使います。目視しにくい細かな部分も大きく見えることで虫歯の取り残しを無くして、再び虫歯になるリスクを抑えます。
- 検知液という虫歯を染めるお薬を塗って虫歯の範囲だけを染めます。そうすることで虫歯以外の健康な歯を削らないようにしています。また、虫歯を染めて確認することで取り残しが無いように心掛けています。
- スプーンエキスカベーターという手で虫歯を削り取る器具を用いています。機械を回して削っているわけではないので嫌な振動や音がありません。また、手の感覚で削るので健康な歯を削りすぎることを防ぎます。
虫歯の進行に応じた治療方法
歯の表面が虫歯原性細菌の作り出した酸で溶け始めている状態です。お家での毎日の丁寧な歯磨きや歯科医院での定期的なメンテナンス・フッ素塗布で自然治癒します。
歯を乾燥させると白く濁って見えることや黒色・褐色に見えることがあります。歯の表面の硬い層が溶けている状態です。定期的なメンテナンスでお口の中を確認します。歯が硬く戻るようにフッ素塗布を行います。
歯の表面だけでなく内部の軟らかい層も溶かされている状態です。虫歯になっている範囲をお薬で染めて明確にしてから削ります。削って無くなった所を白い樹脂か金属の詰め物で治します。
虫歯が歯の根っこの神経にまで達している状態です。歯を削って神経を取ります。何回か根っこのお掃除をして、神経を取ったところにお薬を詰めます。その上に白い樹脂か金属で治します。
お口の中で見えている歯が崩壊している状態です。何回か根っこのお掃除をして、神経を取ったところにお薬を詰めます。その後、歯に土台をたててから白い樹脂か金属の被せもので治します。
お子さまの歯に関するよくある質問
3歳(乳歯)の虫歯治療について
- 虫歯の原因について教えてください。
- お口の中には様々な種類の細菌が存在しています。その内の虫歯原性細菌が磨き残しや糖分から栄養を取り込んで酸を作り出します。
作り出された酸が歯の表面に留まって触れ続けることで徐々に歯の表面の硬い組織が溶かされます。
このように細菌の酸で歯の表面から溶けていくのが虫歯です。 溶けた部分には磨き残しや汚れが溜まりやすくなります。 そうすることでさらに虫歯は進行します。
- 虫歯の治療はいつかしてもらえますか?
- お口を開けていられれば何歳からでも可能です。
- 小さな虫歯は治療しなくてもよいと聞きましたが本当ですか?
- いわゆる初期虫歯といわれる小さな虫歯は、削らず歯磨きやフッ素塗布をして様子をみます。
- 乳歯の虫歯は、そのまま治療しなくても大丈夫ですか?
- 初期虫歯から進行している時には治療が必要です。永久歯のためにも乳歯の虫歯は治療をした方が良いです。
- 金属アレルギーがあるのですが銀歯以外の虫歯治療法はありますか?
- 最近の治療法では銀歯はほとんど使用しません。保険診療で白い詰め物で治します。
- 歯医者が苦手なのですが、診ていただけますか?
- ほとんどのお子さまが歯医者さんは苦手です。歯磨きをしたり歯医者さんごっこをして少しでも怖くなくなってから治療に進むようにしています。初めて来院されて泣いていたお子さんでも通っていただくことで治療ができるようになっています。治療スペースが怖いというお子様は、治療器具の無いキッズスペースで歯磨き指導をしています。慣れてきたら診療室でチャレンジします。
親知らず の虫歯治療について
- なぜ、親知らずは虫歯になりやすい?
- 親知らずは真っ直ぐに生えていないことが多く、歯ブラシが当てにくくなる為に虫歯になり易いです。
- 親知らずが虫歯になったら抜いた方がいい?それも治療した方がいい?
- 虫歯が進行してしまう状況であれば抜くことをオススメしますが、矯正治療をされる方にとって親知らずが必要になることもありますのでご相談ください。
- 親知らずの虫歯を放置するとどうなる?
- 親知らずに関わらず 虫歯を放置するとどんどん穴が大きくなって神経まで達します。夜眠れない痛みが出ることもありますし、それから抜歯するとなると大変です。
- 親知らずのケア方法は?
- 子供用の歯ブラシ、フロス、歯間ブラシ等を使用し、最後はフッ素でうがいをしましょう。